ワーキングホリデー制度を利用して働いた労働者の所得に対して32.5%という高率の所得税を課税するオーストラリア新税、通称バックパッカー税について、オーストラリア政府は27日、税率を19%にまで引き下げた上で、2017年1月より導入することを発表しました。
同税に対しては労働者の多くをワーキングホリデービザ保持者に依存するする農産業団体からの反発もあり、今年7月よりの導入が延期された経緯がありました。新しい制度では従来あった非課税枠が撤廃され、3万7千ドル(約280万円)までの所得に対して一律で19%の所得税が課税され、これを越える所得に対しては段階的にさらに高率での累進課税が行われる事になります。
今回の決定にあたって、注目されるもう一つの大きな変更は対象となる年齢制限の35歳までの緩和。新税の導入によるオーストラリアでのワーキングホリデー制度利用者の減少幅を抑制するために、従来30歳まで(ビザ申請時の年齢)としていた年齢制限を35歳にまで拡大する事が今回、同時に発表されました。また、ビザの申請費についても50ドルの引き下げが発表され、来年1月よりは390ドルに値下げ・変更されます。
一部で導入見送りが噂されていたバックパッカー税ですが、税率を引き下げた上での導入に加えて、対象年齢が35歳まで引き上げられたことで、オーストラリアでのワーキングホリデー制度は新たな局面を迎えたといえるでしょう。