オーストラリアワーホリ
今年4月、オーストラリアの公共放送ABCが放送したドキュメンタリー番組がオーストラリア社会に大きな波紋を広げました。

そこでは、オーストラリアの大手スーパーマーケットで国産であることをアピールしながら販売されている野菜や果物の多くが、厳しい労働条件で働く外国人・ワーキングホリデーメーカーの手により収穫されている姿がレポートされたのです。

国内で外国人から搾取する行為が行われていることに非難が集まりました。

セカンドワーキングホリデー申請のための書類では、働いた時間を証明するために農園主などの雇用者のサインが必要となります。

必然的に雇用主の力は強いものとなり、違法な低賃金での雇用やセクハラ行為などが行われる温床となっていたのでした。

ビザ申請のために必要な労働時間と法律で定められた最低賃金が決まっているのですから、雇用主の支払い総額を労働時間で割り算すれば違法な雇用かどうかが分かりそうなものなのですが、それを覆い隠してしまうのがボランティア活動の存在。

こうした作業をボランティアとして請け負った場合でも、ビザ申請のための労働時間にカウントされるというルールがあるため、総労働時間のうちの一定時間をボランティアで働いた事にしてしまうことにより、実質的に最低賃金を順守していない事実を隠してしまうことが可能になっているのです。

こうした脱法行為の実態が明らかになったことから、オーストラリア政府は今後、ボランティア活動による時間をビザ申請のための労働時間としては今後カウントしない方針を表明しました。

ただし、この方針転換については即時ではなく経過期間を置いて実施されるため、現在ボランティア活動を通じてビザ申請のための労働時間を貯めている申請予定者には影響しないことが発表されています。

Nacky@オーストラリア


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