自分の時間を自分らしく生きていける、そんな風に謳われているニュージーランドでもちゃんとルールがあり、キウイ達の価値観やモラルを知って初めてニュージーランドで暮らしていく事が出来るのかなと思っています。
日本の価値観で彼らをジャッジしてしまう事は間違っているし、日本人のモラルを彼らに押し付けて「良くない」や「間違っている」と憤るのはお門違いと言うものです。
ニュージーランド人はとかく家族を大切にし、家族と過ごす時間を何よりと考えて、仕事<自分の生活という考え方がメジャー。
以前は、5時になればなにもかも放り投げて家に直帰する同僚に違和感を感じていました。まだやる事がたくさんあるというのに、責任感が無いのだと思っていました。しかし、キウイ達のワークライフバランスを考えれば私こそ違和感だったんですね。
DIY、Do It Yourselfが浸透しているニュージーランド。車の調子がおかしくて、ボンネットを開けて少し悩んでいました。
勿論車に全く知識の無い私が悩んでも仕方ないので、修理に出すかと思っていたところ、ボンネットが開いた車を見てか近所のおじさんが「壊れたのか?」といきなり登場。
事情を話すと「待て、詳しいやつを知っている」と新たにおじさん登場。「これなら直せる、だけどツールが必要だ、あいつなら持ってる」とまた新たなおじさんが登場。
こうして3人掛かりで私の車を直してもらいました。これを見て「ああ、これがDIYか」と実感しました。
ニュージーランドでDIYが浸透したのは、車等の修理費やパーツの取り寄せ等が他の国に比べ高額である為と聞いた事があります。要はケチなだけ、といえばそれまでですが…
壊れた物はすぐ捨てて新しい物をぽんぽんと買うスタンスはキウイには理解出来ないようです。
けしてケチなわけではないんだな、と実感したのがこれ。ニュージーランドではよく子供達がチョコレートのバーを50本(1本あたり1ドル)買い、それを1本2ドル程で売ってお小遣いを稼いでいたりするのです。
私は「ぼったくりだな」と思って、いつも断っていたのですがなんとキウイはそれが来る度に買っていたのです。理由は「あの子がお金を得るってどういう事か解るじゃない」と。
その他にもラッフルと呼ばれるクジ兼寄付の様な物を5ドルで買ったり、自然を守る為の寄付だといって50ドルぽんと払ったりします。
輸入した物ではなく、ローカルの野菜や果物を積極的に買う事でローカルのファーマー達のサポートをしたり。
時間も以前に話した通り、日本程厳しくは有りません。締め切りや待ち合わせも何時までにと伝えておけば、それまでに仕事も出来上がるし、待ち合わせだってちゃんと出来ます。
しかし、仕事<自分、自分や家族との時間を優先するお国柄、家族を病院に連れて行かねばならないので締め切りまでには出来ませんと平気で言います。それを理解するべきなのは、外国人である我々なのでしょうね。
その事でいちいち嫌な思いをしていると、尽きないというか…理解してしまうほうが、私にとっても楽なのだと最近は感じます。
勿論、上司も「海外に居る家族に合うので2週間程休みをください」と言ってもすぐオーケーを出してくれます。
以前日本人の女の子で、彼女の父親が病気になったと上司に伝えたところ「すぐに帰りなさい、とりあえず1ヶ月様子を見て、必要であれば来年分の有給をすぐ手配してもいい。メールで連絡しなさい」とその日に日本に帰国出来たようです。
多くの日本人が魅せられ、ニュージーランドに住みたいと思えるのはキウイ達のそんな価値観なのでしょうね。
Ellie@NZ