フランスのワーキングホリデーの場合、おおよそ100万円くらいを当初の滞在資金として持って行く方が大半ですが、何も決めずに自分で仕事を探そうと思って渡仏しても、仕事が決まらなければ100万円は3か月から半年で使い果たしてしまいます。ちょっと考えたらわかることですね。
つまり、「すぐに仕事を絶対に見つけて、いいアパートも自分ですぐに見つけられる自信のある方」は弊社のサポートなどを受けずに100万円だけ持って渡仏されたらいいと思います。しかし、現実はそんなに甘いものではないと考えている人は、とても100万円だけでは1年間、フランスで生活できないと簡単にわかるはずなんです。でもそこに気が付かずにワーホリビザがあれば仕事はあると錯覚して(大使館のQ&Aでも自分でできると書いてありますし)、無謀な渡仏を選択する人があまりに多いのです。
そしてほとんどの方が1年居られずに帰国です。持って行った貯金を使い果たし・・・1年間の滞在もできない。ましてやマトモな就労経験もきちんとできない。
フランスのワーキングホリデービザは一生に1回しか取れません。途中で失敗して帰国しても、それで終わりです。滞在許可もついているこんな素晴らしいビザを使いこなせる人がどれだけいるでしょうか・・・少なくとも弊社からサポートをうけて渡仏した方々は素晴らしい1年間を過ごし、フランス語もできるようになり帰国します。それに対する費用がかかるのは当然です。もしそれだけの語学力と経験をサポート無しで実現しようとしたら、最低300万円はかかるでしょう。語学学校は授業料、衣食住すべて自分で持ち出しとなります。実際に提供しているサポート内容に対しての費用と見た時、高額とは決していえない金額で弊社はサポートしています。それは自負できることです。
フランス大使館がページ上で書いている自分で仕事を得られる人のタイプはビザを取得した方の中で、フランス語がある程度(仏検2級程度)でき、面接も仏語で受けられ、電話もなんの心配もなくできるような語学力のある方です。そうでない人は(最低賃金をもらえる)まともな仕事をゲットできるのは簡単ではないと書かないのはどうしてでしょうか・・・大いに疑問です。あの書き方ではビザさえとれたら誰でもすぐに働けると思ってしまいます。「エージェントなどに依頼する必要はない」とまで書くなら、それにはフランス語力が必要で、渡仏後に働くことになったら最低賃金を受け取れない先での就労は法律違反になる、ときちんと書かなければ、「Q&A」としては片手落ちであると言わざるをえません。
フランス大使館がビザを出した日本の若者に一人でも多く、フランスで素晴らしい滞在をしてもらいたい、と思っているならもう少し丁寧な情報を提供すべきではないでしょうか。
次回はフランスから、日本人のワーキングホリデー渡航者の「就労の実態」について書いてみたいと思います。
ライター:佐藤美恵子(ミルジョワ)
ライタープロフィール(The Cuisine Press)