海外ではどこでもTOYOTAや日本の車をよく見かけますが、ここドイツではやはり、メルセデス・ベンツ、アウディ、BMW、フォルクスワーゲンといったドイツ車をよく見かけます。
日本人にとって、国産車がいいよね、という気持ちがあるのと同じように、ドイツ人の多くにとって、ドイツ車がいいよね、という意識でドイツ車を持っている人が多いと聞きます。日本人にとっては憧れのドイツ車。日本にいた時は「BMWに乗ってるなんて、お金持ち!!」という目で見ていましたが、こちらでは当たり前にみんな乗っているので、そういうものなのだなぁと何だか不思議な感覚です。
車だけではなく、お店で見かける工業製品には、『Made in Germany』と、わざわざ記載されています。さすが工業国。日本人にとっても日本製品への信頼度が高いように、ドイツ人にとっても自国製品への信頼度が高いことが伺えます。
一方食材では、パン、ソーセージやビールなど、言わずもがなドイツ生産というものは、わざわざ国産とはアピールされていません。実はドイツは食品自給率98%(2011年カロリーベース)と高く、品目の中では穀物がトップです。戦争で他国に輸入を頼れなかった歴史が背景にあるようです。
それから、ドイツと言えばビール! ビールについては、以前の記事でもご紹介しましたが、意外にもドイツはワイン醸造にも力を入れています。スーパーに並ぶ、イタリア産やフランス産、チリ産のワインに混じって、ドイツ産のワインも数多く並んでいます。
ドイツ産のワインに関しては、EU全体の基準であるワイン法制定に準じて、ドイツのワイン法を改訂し、上質ドイツワイン栽培地であるかどうか、ブドウ畑の等級表示など細かいいくつもの表示が義務づけられています。
このようなドイツ国産のものと思われる商品がスーパーに並ぶ中で、外国産を強く主張している商品があります。緑と赤と白のイメージカラーをパッケージに使った、パスタや生ハム、チーズなど…。そうです、イタリア産食材です。
あくまで現地で暮らしている肌感覚からの推論ですが、ドイツの人々ってイタリアに憧れを持っている人が多い気がします。曇りや雨の日が多くどんよりした印象のドイツとは対照的に、からっと晴れていて気候も暖かいイタリアへの憧れがあるようで、旅行先としても人気が高いです。
おそらくそういった理由もあって、イタリアブランドの食材は、ドイツ人の購買意欲をそそるようです。
産地のアピールから憧れやプライドが垣間見えて、興味深いですね。
ライター:minima@ドイツ