フランスと言えば、パリコレのオートクチュールが有名ですが、それを支えているのは、フランスの伝統的な刺繍の技法です。
最近では、パリのエコール・ル・サジューの刺繍学校に多くの日本人が学びに行きます。
その特別な技法による刺繍の針をクロシェ・ド・リュネヴィルと言いますが、実はパリではなく、この針の名前であるリュネヴィルの街が、この刺繍の発祥の地なのです。
この特別な刺繍の特徴は、ビーズやスパンコール等を散りばめた絢爛豪華な装飾技法にあります。
特別な針を使って、両手で丁寧に刺していきます。フランスに来て、この伝統技法を学び、帰国後に教室を開いたり、服飾関係の仕事で活躍している人も多いです。
パリの刺繍学校は有名ですが、リュネヴィルの街にも、刺繍の学校があります。ここは、パリよりも格安でその技法が学べます。
この刺繍学校には、ブテックもあり、貴重な刺繍の洋服や装飾品の展示や刺繍の材料から本、作品等、刺繍に関連する物も販売しています。
リュネヴィルの刺繍学校のHP (http://www.broderie-luneville.com/)です。この刺繍学校は、今まで13回も火事になったリュネヴィル城の入り口にあります。
お城の方は、建物以外はすべて焼けてしまってありませんが、「小さいベルサイユ」と言われる建物や庭は無料で見ることが出来ます。
昔、この城には、小さい背の人が住んでいました。ナンシーにお城があったルイ15世の妻の父のスタニスラス公が、この小さい人に会いに来て、大ファンになり、いろいろな援助をしていました。
しかし、この小さい人が奇病になり、若くして亡くなってしまったという実話があります。この小さい人が奇病だった時に、いたずらで火事を起こしたことがありました。なんらかの原因で、13回も火事になってしまったのですが、この小さい人が火事を起こしていると言われています。
このリュネヴィルの街は、刺繍以外にも伝統的なリュネヴィル焼きという素敵な絵皿も有名です。ジャック・シャンブレットという人が、1748年に工房をリュネヴィルに構え、この絵皿は、王宮貴族に愛されました。ナンシーの美術館に、このお皿の大コレクションがあります。
この伝統的なお皿は、今もお土産として買うことが出来ます。フランスの伝統文化が残る小さな田舎街、リュネヴィルに足を運んでみませんか。
Miyabi@フランス