『デュアル アウスビルドゥング(Duale Ausbildung)』とは、会社と職業訓練(雇用)契約し、2.5〜3.5年かけて職業を学ぶドイツの職業訓練制度です。その間、私達は企業と職業学校とを行来し、仕事の実践と理論を学んでいきます。
この制度の最大とも言える利点はお給料が出ること。月給は700〜1000€程で手取りはだいたい10万円弱です。この手当により社会保障制度にも加入できます。決して高いとは言えませんが、それでも訓練生としてお金をもらえるのはとてもありがたいですし、若者にとってはお金を管理する訓練にもなります。
企業では毎週働いた(学んだ)内容をレポートにまとめ、学校では職業専門科目・ドイツ語・英語・政治経済等を学び、期末テストもあります。そして訓練期間の中間と最後には訓練運営機関であるIHKの試験があり、これに合格するとその職業を名乗ることが出来るのです。
私は現在、オフィスマネジメントという職業を学んでいます。ドイツで結婚してから企業に就職して働きたいと思っていたのですが、適切な資格を持っておらず、さらに言語に不安があったのと、きちんと必要なスキルを習得したいという思いから職業訓練を決めました。
私の働く企業では、数ヶ月毎に異なる部署に配属され仕事を学びます。それは事務的な作業から顧客対応、製品梱包まで幅広く、まったく退屈しません! 本就職前に職場の雰囲気が見られること、そして何より活きたドイツ語を学べるのはとても良いことです。立場上大きなプロジェクトを任されることもないのですが、焦らず状況に慣れながら働くことが出来ます。この企業では外国人訓練生の受入れが今回初めてだそうですが、とても理解があり感謝しています。
一方、職業学校はとても大変です。まず予習復習をしないと授業についていけませんし、予習ををしていてもドイツ語が理解できず、先生の黒板に書く走り書きのドイツ語がまったく読めず、何度も挫けそうになりました。授業前後に何度も先生に質問し相談し・・・そうこうしているうちに気づけば一年半が経過していました。
学校には、中学卒業ホヤホヤの若者から、大学に行ったものの別の道を目指し職業訓練を受け直す青年、就職支援センターからの紹介で入学してきた比較的高齢な方まで色々です。私のような外国人訓練生も年々増えて来ているようです。
私はドイツに来て4.5年、ドイツ語レベルはB2(独検準1級程)ですが、B2は仕事に最低限必要な語学レベルとされており、全てが容易なわけではありません。まず学校で苦労するのは間違いないでしょう(笑)。しかし不可能ということはありません! 何事も挑戦です。
ライター:yodan@ドイツ