さて、最近のドイツの話題といえばドイツ総選挙。ドイツでは9月26日、アンゲラ・メルケル首相の後任を決める総選挙が行われました。
16年間という長きに渡り首相を務めるメルケル首相は、当にドイツの顔。色々な意見はあれど、最も愛されたドイツ首相と言えるでしょう。日本でも『ドイツ=メルケルさん』という印象があり、特に、難民政策や環境保護政策などで好印象を持つ人が多いですよね。
さて、ドイツの選挙制度についてですが、日本と少し似ていて、国民はそれぞれ一つの政党と一人の政治家に投票します。小選挙区比例代表併用制と呼ばれ、政党の得票率に応じて議席配分が決まる比例代表制がベースで、政治家に票を投じる小選挙区制の要素を加味したものです。
選挙結果は、中道左派の社会民主党(SPD)が勝利。SPDが第1党になるのは2005年以来で、全国の政党票の4分の1強を獲得しました。SPDはドイツで最も古い民主政党で、中道左派の主要勢力です。投資と不平等への取り組みに重点を置いており、最近は環境保護政策に尽力しています。
この勝利を受けて、オラフ・ショルツ氏(63)が次期首相の座に最も近い人物となりました。2018年3月発足の第4次メルケル内閣で連邦副首相、財務大臣を務めており、新型コロナウイルス感染症への対応で人気を高め、メルケル独首相の真の後継者だという印象を示してきました。
しかし、一方で新政権の形は今後の連立交渉次第です。現在、SPDは“SPD・緑の党・FDP”からなる信号連立(各政党のシンボルカラーになぞらえて、こんな風に呼ばれています)に所属しており、連立政権樹立に向けた正式協議への移行を勧告。重点政策に隔たりがあり、大幅な譲歩が前提となります。どんな政府が誕生するのか、まだまだ目が離せません!
ライター:yodan@ドイツ