日本はちょうど今が夏休みの時期でしょうか。リトアニアの夏休みシーズンは、6月終わり~7月ごろがピーク。ほとんどの学校がお休みに入るため、大人もあわせて仕事を休む場合が多く、筆者が住んでいるアパート周辺では、頻繁に車で行き来する家族連れの様子が見られました。

ところで、一般的なリトアニアの会社では、フルタイムなら年に20営業日以上の休暇を取ることが義務付けられているそう(職種により多少異なります)。2~3週間ほど休み、田舎でゆっくり過ごすのが一般的です。
森と湖が豊富な国なので、前回ご紹介したようなベリー摘みを楽しんだり、湖で泳いだりと、自然のアクティビティを楽しめるのがいいところ。
筆者がかつて出会った友人の中には「海外旅行も好きだけど、3日もいるとリトアニアの自然が恋しくなっちゃうの」という人もいるほどで、リトアニアの自然は穏やかで美しく、夏でも涼しくて過ごしやすいのです。

リトアニアは比較的緯度が高いため、例年は数日「暑い!」と感じる日があるかな~程度です。しかし今年の7月は、なんと1961年以降もっとも気温が高かったのだそう。30度を超える日も少なからずあり、特に夏至の直前と7月の前半は、気温だけでいうと東京よりも暑いのでは?という具合でした。湿度が少ないとはいえ、暑さが苦手な筆者は終日バテバテになる始末。
しかし、これほどの暑さに慣れていないリトアニア人たちは、もっと辛かったのではないでしょうか。

そんな暑さの中、先月Trakai(トラカイ)という小さな町を訪れたときのこと。午前中から灼熱の日差しが照りつけ、観光名所のあるお城までのメイン通りはガラガラ…。ところが、通りを外れて湖へ足を延ばすと、さっきまでの静けさが嘘のように、水着姿で湖に浮かぶリトアニア人たちに次々と出会いました。ビーチのように整備されたエリアでは決してないのですが、暑いなら水の中で過ごせばいい!というそのスタンスに、驚きと同時に「そうだよね」と感心してしまったものです。

8月に入り、この文章を書いている今、外は雨が降ったり止んだりのお天気。気温はすでに15度ほどにまで下がりました。北欧の夏は一瞬だということを改めて思い知りつつ、晴天の日々がすでに懐かしく感じられるこの頃です。

ライター:のり@リトアニア
自然と手仕事を愛する人。”sumiyas”という屋号でライター、草木染、編み物などをやっています。
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