自分にとっては常識でも、ところ変われば非常識となることがあります。またその逆もしかりです。遠く離れた日本とカナダでは、もちろん価値観の違いを経験する機会も多く、そのたびに混乱したり、悩んだりすることがあります。
初めにぶつかったのは、自己主張・自己表現について。日本では何かにつけて周りとの強調や平和、相手を尊重するという文化がありますが、こちらでは個性を出すこと、自分との違いを受け入れることに重きを置きます。
初めは自分のことを完全否定されたように感じて悲しくなったこともありますが、相手にすると自分の意見を言わないのは、自分を信頼していないからではないか、それに何を考えているかわからず不気味だというのです。
問題が起きた時には荒波を経てずに解決するのが美徳と考える傾向の私には理解しにくかったですが、カナダは自己主張をしてなんぼの世界。喧嘩ということではなく、自分の意思を伝えないと何も始まらないのだと気付きました。
例えば、冬場にコンドミニアムの暖房がこわれた友人がいました。大家さんは直すいいつつ、処置を後回しにしていたそうです。でも友人はその言葉を聞き、強く言えずに耐えていました。そのことを現地の方へ言ったら、「寒い冬に暖房がないのは死活問題。なぜ警察に通報しないのか」と非常に驚かれたそうです。
金銭面での価値観の違いもあります。チップに関しては皆が知っていることですし、サービスの悪いレストランでチップを置くのには、いまだに抵抗があります。日本の方がよっぽど質の高いサービスを提供してくれるのに、と考えてしまうのです。
またある時パーティーへ招待された際、費用は主催者が全て持つのが常識だと言われました。こちらでは持ち寄りパーティーが主流ですが、違う場合は主催者は大変です。日本だと割り勘しようとなりますが、招待した側が全ての責任を持つ、というのがカナダ流のようですね。
Nataly@カナダ