2019年7月1日に導入された、3年目のワーキングホリデーを認める制度。この制度の導入後まもなく、世界的なコロナウイルス感染拡大によって国境が閉ざされたことで、あまり知られないまま現在に至っています。
制度設計そのものは単純で、従来まであった地方のファームなどで働くことで2年目のワーキングホリデーを認めるセカンドワーキングホリデー制度をそのままに、3年目に適用したもの。
国内外での賃金格差と、昨今の円安などの影響もあり『出稼ぎワーキングホリデー』が最近になり注目を集めていますが、高賃金と人手不足に悩むオーストラリアでも農業分野での人手不足は深刻で、賃金アップと待遇の改善が大きく進んでいます。そのため制度をフルに活用して3年間働くことで、かなりの収益が期待できるため、従来まであった「お金を貯めて海外へ行く」という考え方は既に過去のものになりつつあるといえるでしょう。
一方で、最低賃金以下で就労させる労働力搾取もオーストラリアでは社会問題に。多くは語学力が十分でない日本を含むアジア系の労働者が主なターゲットにされ、悪質なブローカーなどを通じて農業などでの職を得た結果、その手数料等が差し引かれるなどし、最低賃金さえ満たさない劣悪な労働環境に置かれてしまうというものです。
もちろんすべてのブローカーがこのような違法な行為を行っているわけではありませんが、農業分野での仕事を探して従事することについては、実際のところファームが直接インターネット上で求人を出しているため、自身でそれを見つけて応募することは難しいことではありません。
例えばNSW州にあるこのブルーベリー農園の場合、自社ページから直接募集を受け付けており、近隣の宿泊施設の紹介までしています。
このように「仕事(求人が多い)」と「お金(賃金が高い)」に加えて「時間(最長3年間)」までもを満たしてくれるのがオーストラリアのワーキングホリデー。ただし3年目のビザもその年齢制限は申請時に30歳まで(31歳未満)であることが条件となっていますので、オーストラリア生活を3年間じっくり満喫したいと考えている場合は年齢制限から逆算しての早めの計画がオススメです。