img_4442バックパッカー税(ワーホリ税)の導入に関連して混乱したオーストラリアのワーキングホリデー。一時はいきなり32.5%という高率な所得税課税が実現しそうになったものの、年末の議会の審議で税率が徐々に下げられ、最終的に15%で決着。早速1月から施行されました。年間37,000ドルまでの所得に対して15%、それ以上で87,000ドルまでの所得に対しては32.5%といった累進課税となります。
では1月からいきなり手取りの給料が15%少なくなるのか? いいえ、実はそうではなく、逆に手取りでは増えるケースさえ想定されます。これは一体どういうことでしょう???

オーストラリアの場合、税務上の区分として居住者として認定されていない外国人労働者(non-resident)に対しては従来より32.5%の所得税が課税され、多くの場合で源泉徴収されていました。ただし、6ヶ月を越えて滞在した場合については居住者(resident)となり、年間18,200ドルまでは無税、以降37,000ドルまでは19%といった具合に課税対象となり、条件を満たした場合にはタックスリターンと呼ばれる確定申告によって税金分が返金される仕組みとなっていました。つまり、まずは源泉徴収で税金を払って、後から返してもらうという仕組みだったわけです。(実際のところ、タックスリターンの手続きが煩雑なため、手続きを諦めてそのままにしてしまっている方も多いようです)
で、今回の新制度では税率が15%に改められましたので、源泉徴収される税率は15%相当額となり、この場合は後日、タックスリターンでは税金は返ってきませんが、給料日にもらえる手取りはむしろ増える計算です。

ただ気をつけたいのは、15%の源泉徴収で済まされる雇用者は事前の登録が必要だということ。「Employers of working holiday makers are required to register with the ATO as employers of working holiday makers.」とされており、ワーキングホリデーメーカを雇用したい雇用者はATOに対して事前の登録を行う必要があり、行っていない場合には以前と同様に32.5%が差し引かれて、後でタックスリーンの手続きが必要になってしまいます。

ATO(Australian Taxatio Office)のワーキングホリデーメーカー向け情報ページ

このように、誤解が多い上に制度運営上の仕組みがまだ十分に浸透していない中で始まったバックパッカー税。運用を巡ってまだまだ混乱が続きそうな予感です。

ライター:Nacky@オーストラリア


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