アイルランドとイギリスの関係を問われると、「100年戦争」「IRA」「飢饉」というイメージが出てくるのではないかと思います。実際、今でもIRAのニュースがTVを賑わせることも多く、戦犯扱いで裁判にもなっています。・・・が、住んでいるとそういったイメージはなく、どっちかというと平和ボケな感じですかね(笑)。飢饉のモニュメントもダブリンにありますが、今はそういった悲壮な雰囲気もないです。
一部の高齢者は英国に対して良いイメージはないかもしれませんが、ほとんどのアイルランド人は英国=同盟国(EU)の人という感じで敵対心もなく、若者は日本の若者が米国にあこがれる、または田舎の人が東京にあこがれるのに似た感じの感覚を持っています。ただ、英国がEUから離脱したことで、親族に愛国者がいる若者が怒涛のようにアイルランド国籍の取得に動き、一時入国管理局がパニックになりました。これを見てわかるように、以前は愛国を見下していた英国は一部を除き存在しなくなっていることを物語っています。
蛇足で、本当に20-30年前までは英国のホテルなどには「犬、猫、愛国人お断り」の張り紙があったそうです。その頃は愛国の経済もものすごく悪く、通貨もEuroではなかったですからね(スターリン-アイルランドポンド。1999年にeuroが公共通化になったが完全移行できた2002年まで使用)。そう思えば愛国のステータスや人々の考え方も大きく変わったものです。
英国がEUから脱退を表明した後でも、今後2年(下手すればもう少し長く)は移行期なので、特に英国人に対する考え方が変わったとも思えません。今後また変わってくるのかもしれませんが、まとめてしまうと特に目立った悪感情はないようです。
ライター:yuki@アイルランド