フランスは、テロ事件でたいへんなことになってしまいました。オーランド大統領は、パリのテロ事件のため、国境閉鎖と一番強い非常事態宣言をフランス全土に発令しました。
テロの前に、パリでCOP21の会議を開催するため、一ヶ月ほど国境を閉鎖することを報道していましたが、テロ事件のために早く閉鎖されました。
ヨーロッパは地続きのために、フランスが国境を閉鎖しても、国境のメイン道路のみで、田舎の道まで完全閉鎖は難しいようです。
EU圏は、シュンゲン協定というものがあり、EU圏で協定に同意した国の人は、パスポートの確認なしに国境を自由に渡ることが出来ます。
非常事態や緊急等の特別な場合は、国ごとに国境を閉鎖することが可能なルールがあります。
このルールは、1985年にフランスとドイツとルクセンブルグの国境が交差するルクセンブルグのシュンゲンという街で協定が結ばれました。
最初は、5カ国のルールでしたが、EUに引き継がれ、シュンゲン協定に同意した国が増えてきました。私は、夫とフランスからドイツに行く時にこの街を通ります。
シュンゲンの街は、ルクセンブルグですが、フランスとドイツの国境なので、フランスのモーゼル地方と同じぶどう畑がそのまま続く、モーゼルワインで有名な小さい街です。
近くに大きなお城や大きな滝のような川、教会等もあり、フランスのロレーヌ地方のモーゼル川も流れていて、ルクセンブルグでありながら、フランスのようなドイツのような橋を堺に道路が交差した不思議な場所です。
EUの特色のひとつであったシュンゲン協定ですが、最近は移民やテロの問題があり、良い意味で始めたはずのシュンゲン協定も今後どうなるのか分からなくなってきました。
フランスは、移民や難民の問題で過去に失敗したことがあり、今回の移民・難民受け入れは消極的でした。移民・難民問題は、EUに加盟している各国の考え方の違いを浮き彫りにさせました。
今回のフランスの非常事態宣言で、パスポートや外国人登録書は常に携帯した方が良いでしよう。日本政府の邦人への緊急メールはかなり遅いので、事件の時は、PCや携帯でリアルな情報を確認した方が良いでしよう。
今回の事件で、日本の「Kamikaze」とテロを同じ扱いで連呼している言葉の使い方が変な報道もありますが、Vigipirate(非常事態宣言)、Mort(死亡)、blessées(怪我人)等、フランス語の事件に関する単語が分かれば、フランスのニュースも自分を守る情報源になると思いました。
Miyabi@フランス