日本で100年以上の古い物は、美術館ぐらいでしたが、フランスで、世界遺産に住んだ等、生活の中での古い物に驚かされることが度々ある私です。
私は、日本で有名なヴァイオリンを弾くハーフの女性歌手の大ファンで、その音楽を聴きながら、今年に入って、ヴァイオリンのことを考えていました。
メッスから、ヴァイオリン製造で歴史のあるミルクールの街が近いので夫と行ってみました。
弦楽器の美術館等を見たり、弓を製造する職人にお会いしました。美術館では、本物の弦楽器を弾かせてもらい、とても感動しました。
ピアノやギターだけじゃなく、ヴァイオリンも弾きたくて、練習用の安い物を買おうと思っていました。
ところが話は急展開、夫の実家にあった約120年以上前のヴァイオリンをいただくことになったのです!
古いケースには、ヴァイオリンと弓、戦争時代の新聞記事や昔のリヨンでの演奏会のプログラム等が入っていました。このヴァイオリンは、夫の親戚の誰が使ったか不明で、リヨンのオーケストラの当時のメンバーについて問い合わせをすることにしました。
ヴァイオリンは、ミルクールの老舗の職人の方に経年補修してもらうことになりました。
ヴァイオリンの中に、1901年のリヨンと書かれているのですが、職人のおじさんによると、ミルクールで製造され、リヨンで販売されたことが分かり、120年以上を経て、ひととき故郷に戻ったわけです。
夕方、ミルクールから夫と帰宅途中の玄関で、近所の人に会いました。思いがけず、そのおじさんとおばさんは、アンティークの仲買が40年間以上の趣味で、美術館や専門家等にも売買していることを知りました。
次の日に、アンティークの目利きの方法等についてお茶を飲みながら、かなりおもしろいお話をお二人からお聞きしました。
おじさんは、100年前のハエ取りの瓶を私たちにプレゼントすると言い出したので、夫と私は内心、それをもらってどうするよ??(汗)という感じですが、今度、おじさんのコレクションを見せてもらうことになりました。
おじさん伝授のアンティーク目利き方法?で、夫とアンティークのマルシェやお店見学が楽しくなりそうです。私は、古い楽譜が一つほしいのですが、今度、リヨンにあった古い楽譜のお店にも行ってみようと思います。
最近は、使い捨てが多く、物を大事にすることが希薄になっています。フランスに来ると、物を大切にする素敵さや丁寧に作られた古い物の価値にハッとさせられます。
Miyabi@フランス