旧国立劇場の前(例年であれば間もなくクリスマス市の会場になる場所)検査場として使われたコンテナが残されている様子

スロバキアでは例年、11月20日前後からクリスマスの前までの1か月間は各地で街の広場にイルミネーションに飾られた大きなクリスマス・ツリーや屋台、ベツレヘム(キリスト誕生の様子を木彫りの人形など並べて再現した飾り)からなるクリスマス市が立ち、年末のお祝いムードを盛りあげます。
闇の中にうかびあがる幻想的な明かりのもとで、仲間達と熱いはちみつワインやホットワインなどを飲みリラックスしたひと時を過ごすのは特別なものであり、多くの人が楽しみにしているイベントです。

例年のクリスマス市の様子

しかし今年はCOVID19の影響で、ブラチスラバ市は(コロナ感染拡大防止として禁止されている大規模イベントとして)今年のクリスマス市の中止を9月末早々に決定しました(他の都市や地域ではまだ開催か中止か模索中)。
宗教的な意味合いから日本とスロバキアで比較はできませんが、気持ち的には日本の場合の年末に縁起物(羽子板や熊手)を売る市が中止になったような、
新年を迎えるためになくてはならないものがなくなってしまった寂しさがあるのでは、と想像しています・・・が、周りを見ていると案外冷静に受け止められているようです。

欧州の第一波を早々のロックダウン実施で感染拡大を最小限に食い止めたスロバキアでしたが、10月に入って感染者数の増加幅が日に日に大きくなり、記事を書いている現在はスロバキアではまだ10月24日から始まった2回目のロックダウンが続いています。
10月29日に一部の県を皮切りに政府は10歳以上の全在住者を対象に全国一斉抗原テスト(無料であり参加も自由意志。ホームレスもヴィザの提示が無い者も受けることが可能)を行い、首都を含む全地域で11月最初の週末だけで2/3の在住者の検査を行いました。
検査で陽性であった者や検査へ行かない選択をした者は10日間のセルフロックダウン。うち陽性者は再検査。陰性者は証明書の携帯で行動範囲は自由になりました(以降の現在も無料で検査が受けられる場所をいくつか引き続き設置しています)。
政府も首相の発表からわずか数日の間に、検査に関するシミュレーション・ビデオを含む結果により進むべき次のステップを分かりやすく説明したウェブサイトを立ち上げ、検査場をネットの地図へ落とし込み、オンタイムで混雑状況の情報を提供し続けました。これら一連のスロバキア政府の行動のスピード感と明確な指示は驚くべきものでした。

クリスマス・イブのメインディッシュ

いつもならすでにこの時期クリスマスプレゼントを買い求める人々でごった返しているデパートも大分空いています(15平米あたりに一人というルールが適用されています)。
もうじきモミの木を売るお露店が立つようになり、クリスマスの数日前には毎年見られるクリスマス・イヴに食べる鯉やクリスマス・スープに入れるサワーキャベツを売る漬物屋さんの前にできる長蛇の列を見るようになるかもしれませんが、2m間隔を開けた様子は見たこともないような長い列になるかもしれませんね。
残念ながらCOVID19が近くにある暮らしも9か間になろうとしていますが、日常の風景の中で混乱や荒んだ様子は特には見られず、現在までのところは人々が比較的落ち着いて柔軟に生活しているように見えます。
いずれにしても今年はいつもと随分違うクリスマスになりそうです。

ライター:ごんちゃん(ごん助らーめん)
https://www.facebook.com/gonnsuke.ramen/


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