フランスに来て、自分自身が変わったことはたくさんあります。最初の生活は、フランスに憧れがあって来たわけじゃない筆者でも「パリ症候群」状態になりました。
パリ症候群はフランスやパリの自分の頭の中の素敵なイメージが、実際の現地でのリアリティによるギャップによる失望に近い状態で鬱になる心の病です。日本はとても便利で、お金さえあれば生活には困りませんが、フランスに来てあまりの不便さに筆者は失望し、ここで生きていけるのかと頭を抱えるほど悩みました。

最初はリヨンで生活品を揃えるのも、物価が高くて(デスカウントの店を知らなかったのもありますが)生活品を揃えられるかさえ不安でした。また、レストランは高いし、日本のようなお弁当のあるコンビニもないので、食事は旅行以外、全部自炊。外出が近場なら必ず、お弁当や飲み物を持参するようになりました。
また、フランス語が読めなくて何が加工食品に入っているか不安でしたが、そのうち、食品表示のフランス語が読めるようになったら添加物が気になり、なるべく生の材料から自分で料理するのが当たり前になりました。料理を自分で生の材料から作るので、例えば添加物なしの味噌やトマトソース、バタークッキーやケーキ、デザート等の本当のナチュラルなおいしさを実感出来るようになりました。

化粧品やシャンプー類、石鹸はフランスは、おしゃれを売りにしているので、たくさんの食品があります。でも化学製品はなるべく避けたかったので、化粧水等は昔ながらの手作り化粧品を自分で作るようになりました。保湿クリームもみんなが日常使っている子供のニベアがメインで、シャンプー、ボディソープ類はマルセイユのオリーブ石鹸がメインです。高い化粧品も洗顔用品も使いませが、それでも、かなりの美肌をキープしています。

洋服にもフランスでは困りました。アウトレットは高い店が多くて、でもスーパーでは、安いけれど生地がべらべらとかサイズは合わないとか。さらに流行を追いすぎて、どう着こなすのかわからないものも・・・。そのうちに、手芸屋さん等のバーゲンでコットンの布をたくさん買い、洋服やパジャマ、部屋のシーツやカバー等を自分でミシンで作るようになりました。こんなこともあって、自分で作れる物は自分で勉強して、手間暇をかけて作る習慣が身につきました。

ブランド品は特にそうですが、みんな同じような物を持ち、オリジナリティがなくなりつつあります。しかし、世界が注目するフランスの伝統的なファッションやソーイングの文化は、不便さや一般市民が昔は、物を買えなかったために、工夫により発達したものです。刺繍やパッチワークキルト、オートクチュール等の手仕事で、生活を豊かにして文化を育み、おしゃれを楽しんでいたわけです。

筆者は、日本では全く手作りなんて家庭科以外したことはありませんでした。そのまま、日本だけに住んでいたら、きっと手作りなんて縁がなかったでしよう。
人間は不便だと、生活を工夫して考える物ものです。
みなさんもフランスに来て、なんて不便なんだと、嫌になることがあるかもしれませんが、自分を成長させるきっかけになるんだと思って前向きに工夫してみて下さい。
きっと、筆者のようにフランス生活が楽しくなりますよ。

ライター:Miyabi@フランス


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