皆さんは、フランスで生活するために資格とか検定を取ることが必要だと心配してませんか?
筆者は以前、フランス人の元パートナーと会社を作り、学生に日本語を教えていました。その元パートナーは、私の最愛の教え子でした。共に生活し、最短で彼は日本語も日本文化も吸収し、ジョークまで言えるレベルにまでになりました。彼には日本語に関する資格なんてありません。それでも、日本人と日本語で仕事をしたり、日本についての専門窓口になり、フランスの職場で大活躍しています。
一方で筆者は、日本語を教えるプロでした。しかし筆者はフランス語を学ぶことなく、彼に何でも頼り切っていました。そしていろいろな問題があり・・・彼は運命の人ではなかったのです。たった一人、知らない街で、筆者はフランスに取り残されました。
人生は、何が起きるか分からないから、筆者はフランス語を身につけるべきでした。人生の大失敗をしたわけです。英語さえ、ある程度出来ればという考えは甘かったわけです。
結果、離婚の手続きのために自分一人でフランスの公的な機関や裁判所まで、電子辞書だけ持って、助けを頼み歩くだけの日々の地獄を味わいました。一方でこの二年間、参考書なんて開いてる余裕もなく、必死なだけ。毎日がフランス語の勉強の場になり、何も怖くなりました。
分からないことも山ほどあるし、病気になったり、泣いたり、辛いこともありますが、分からないことは、その場で学ぶ繰り返しです。
筆者は就職氷河期世代で、そのために「資格マニア」になった世代。なだから、資格がないといけないと、頭でっかちになっていました。しかし、日本の資格はフランスでは、ほとんど意味はありませんし、そもそも日本の資格やら修行の証明なんて、大抵の場合、世界では求めていないのに。
移民の方々も生きるためにフランスに来て、参考書だ、資格だ、なんて言ってません。フランス語を身体で覚えて、働いて生きてます。資格や修行は、証明が大切じゃないんです。今、何が出来るか、やりながら出来ることをスピーディーに伸ばしていけばいいんです。
実は筆者は、日本文化のいろんな専門があり、教員免許や講師経験、寿司屋や着物販売の経験もあります。先生をしろと、言われたらいきなり、教壇にも立てるし、書道をしろと言われたら書も出来るし、華道をしろと言われたら華も生けて、茶道もお点前もすれば、寿司も握れます。でも、フランスでは誰も資格なんて求めません。
私の尊敬する知人は、インターネットがない時代にフランスに来て、テレビで勉強してフランス企業で働き、今もフランスで生活しています。小洒落たフランス語は、生きるだけなら、いりません。単刀直入、意思疎通だけが最初、必要なだけです。
心配はいりません。ありのままの自分でフランスに来て下さい。
真の学びは、その後です。
ライター:Miyabi@フランス