フランスでは占いは夜中のテレビで電話占いのCMがあったり、年末に占いの雑誌があったり、ファッション誌の後ろに占いがあるぐらいです。日本のように、街を歩いていて、占い師が道端にいたり、占いの店の看板が堂々と目立つ場所に出ていたりはしません。
ところが先日、筆者が2つの大きな本屋さんに出かけたら、世界的に人気のタロットやオラクルカードのコーナーが増設され、いろいろな種類の占いカードが並んでいたりと、密かなブームになっているようです。
世界的に一番有名なタロットはイギリスのライダー版と言われますが、実は元の絵柄はフランスのマルセーユタロットから発展したものです。最初は、15世紀にイタリアで遊びのカードが出来き、それが16世紀から18世紀にヨーロッパに広がりました。
フランスのフランソワ・ラフレの文献に初めて「Tarau」の記述があり、16世紀にリヨン、ルーアンでタロット製造が行われ、地中海からイギリス等にタロットが広がりました。
フランスでの絵柄は最初はトランプのスードに倣った物でしたが、17世紀にパリで作られた絵柄を1930年にマルセーユのカード会社が販売した物がマルセーユタロットとなりました。ライダー版との違いは、大アルカナの順番が違ったり、絵柄。そして数年、オラクルカードとしてとても人気なのはフランスのルノルマンカードです。これはナポレオンの時代の18世紀に宮廷で有名だった占い師のマダム・ルノルマンの死後に彼女の言い伝えの手法を元に作られたカードと言われています。
マダム・ルノルマンは、ナポレオンの妻のジョセフィーヌの占い師でもあり、ナポレオンの悲劇も予言ししたと言われています。彼女の占いは、驚異に思われ、波乱の人生を歩みました。
人生は、占いでは決められませんが、フランスの歴史あるカードを一度は、眺めてみるのも、楽しいですね。
ライター:Miyabi@フランス