今、デンマークでは政権交代による新しい首相の話題で持ちきりです。
まず、新しい首相は今までで一番若いなんと41歳。そして史上2人目となる女性の首相が6月5日の総選挙で決まりました。自由党(Venstre, Danmarks Liberale Parti)のLars Løkke Rasmussenから4年ぶりに社会民主党へ政権が移り、首相となったのはMette Frederiksenです。
今回の選挙での論点は社会福祉。デンマークといえば、充実した社会福祉で全世界から注目を浴びていますが、ここ数年は不満を持つデンマーク人の声が大きくなりつつありました。
デンマークでは、所得税が平均36%と高額にもかかわらず、国民は喜んで支払っていました。というのも、オギャーと泣いた時から墓場に行くまで病院代は無料。学校も無料。つまり医療•教育•介護サービスなどが無償で受けられたていたのです。ですが、公的債務が削減され、今までのようなサービスが十分に保証されなくなってきていることに不満を持った国民は、この選挙で、公的支出の拡大、増税を通じた企業・富裕層による福祉サービスの費用負担の拡大、40年働いた人の早期退職を認め、近年の段階的な年金改革の一部を撤回する、といった公約を掲げていた社会民主党に期待をしたのでしょう。
ですが、はやくもこの公約が果たされないのではないか・・・というのが、最新の話題。
世界一幸福なデンマーク。以前のように社会福祉が充実した国に戻ってほしいものです。
ライター:nao@でんまーく