ヨーロッパ諸国を旅している人に、ブラチスラヴァの感想を聞くと、ここが本当に首都なの?と言われてしまうことがよくあります。
ブラチスラヴァはそれくらい首都としてはこじんまりとした都市なのですが、田舎というわけでもないので大きな不自由もなく、観光客も多すぎず、静かにゆっくり過ごせる都会であると思います。
スロバキアの人口は540万人で、ブラチスラヴァの人口は42万人です。日本のどの都市に比べてもだいぶ小さな都市であることがわかります。周辺の国と比べても人口はプラハの3分の1程度で、観光客もそれなりにいますが、周辺国のように世界中の人々でごった返しているようなことはありません。
しかしながら歴史的には周辺国との関わりは密であり、中世の長い間スロバキアはハンガリーの一部としてドイツ人やクロアチア人などが入り混じり、多国籍・多文化の国でもありました。また25年前までチェコスロバキアというひとつの国であり、複雑な歴史を抱えながらも異文化や移民に寛容にその姿を変えてきています。今でもヨーロッパ中の人々が気軽に訪れているというのが私の印象です。
ブラチスラヴァ中心地のレストランやバーは、夏場であれば深夜になっても観光客や現地の人々で混雑しており、ナイトクラブは若者たちで賑わいを見せています。ヨーロッパの街ではバスやトラムが深夜でも走っていることはよくありますが、ブラチスラヴァでも深夜バスは走っているため終電を気にする必要はありません。この事実には初めとても驚きました。地下鉄こそ通ってはいないですが、バスやトラムが発達しているので移動に問題はありません。
また大きなショッピングモールも中心地にふたつあり、日用品雑貨の購入や映画鑑賞もでき、日本と大差なく生活を送れます。新鮮な食材が手に入る市場も街の中にあり、ブラチスラヴァは小さな街ですが、その中に目的に応じたお店や施設がまとまっているといった感じです。街中にはスーパーやコンビニもたくさんありますが、24時間営業の店舗はめったにありません。基本的には21時くらいには閉まってしまうのでその点では日本よりかは不便です。
ブラチスラヴァという“都会”に疲れてきたら、スロバキアの東へ足を運び自然に癒されるのもおすすめです。温泉や洞窟、湖やタトラ山脈などブラチスラヴァとは違った見どころに溢れているのでスロバキアの魅力をより深く知ることができます。
小さな街に様々な機能が集約されていることや、人が多すぎずゆっくりと街歩きもできること、また足を伸ばせば豊かな自然を感じられることなどを考えると、ブラチスラヴァでは都会的な暮らしと田舎のゆったりとした生活の両方が実現できるかも知れません。
ライター:かわにし@スロバキア