台湾でもっとも身近に感じる社会格差と言えば、やはり所得格差でしょう。
台湾では高所得層と低所得層とで格差が大きく、2014年のデータではその差は拡大し続けています。
所得上位5%と下位5%を比べると、格差は111倍にもなり、この10年でなんと2倍にも広がっているんです。

街を歩いていると高級車をたくさん見かける一方で、廃品回収で生計を立てている人もいます。
以前の記事にも書きましたが、マンションの価格も高騰していて、家を持つこともたいへんになっています。平均所得は10年で35%も減少していて、貧富の社会格差は深刻です。

また、台湾には多様な民族が住んでいて、大まかに4つのグループに分けることができます。
そのうちの1つである台湾原住民(少数民族)は、政府が認定した16部族がいますが、長く差別されてきた歴史があります。昨年2016年8月に、蔡英文総統は原住民の代表に対し、過去の差別的な扱いや、伝統的な社会や文化の保護が不十分だったことを謝罪しました。この様に総統が直接謝罪するのは、台湾史上初めてのことだったそうです。
「まだ差別は存在する」と言われていますが、有名な歌手や日本で活躍するスポーツ選手も原住民出身の方がいたりして、以前に比べその意識は減っているようです。ちなみに政府は保育園の抽選や大学進学、公務員や議員にも原住民枠を設けています。

逆に「ニューカマー」つまり近年に移民してきた人。外国人労働者はもちろん、台湾人と国際結婚した外国人でも、本国民とは権利に差があります。例えば、日本では外国人でも国民年金を払う義務がありますが、台湾では帰化しない限り国民年金に加入すること自体できません。

台湾での生活が長くなると、今まで気づかなかったことを肌で感じる機会が増えてきます。

ライター:えいせい@台湾
取材協力:台湾トランス(台湾留学・ワーホリサポート)


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