フランスは、あまり結婚にこだわっていないカップルが多いのは本当です。
私の周りにも、お互いに自分の仕事があり、パックス(事実婚)という結婚より軽い手続きをして、税金対策や結婚のたいへんな手続きを回避して、別れる時も簡単という共同生活をしている人が多いですね。パックスでも結婚していても、生まれた子供の待遇は同じです。一方で法律に縛られない分、カップルは関係の継続にさらに努力がいるようです。
ところでこのパックスですが、外国人にも全て適用されるわけではありません。仕事をフランス国内で持っている外国人で、きちんとしたビザを持っている人は可能ですが、たとえば自分が日本人、パートナーがフランス人だった場合で二人の拠点がフランス国内の場合でも、パックスはダメ。結婚をしない限り、フランスのビザがもらえません。
筆者の場合は、日本で仕事をしていたので、いきなりフランスで仕事というわけにも行かず、すぐに結婚しなければならなくなりました。事情あって、フランスで結婚手続きをしたために、ものすごく大変でした。
大変な手続きと、文化の違いと年の差を越えて、フランス人の年下の夫と筆者は結婚しましたが、筆者自身は、日本で今話題の「タラレバ娘」そのもので、恋愛もダメ、仕事も不安定、結婚なんてありえないと、「すべて負け犬」の人生を悲観していた時期もものすごく長かったのです。
思いもよらず、日本国内なのに、外国人のたくさんいる職場で仕事をするようになり、英語に泣き、一人暮らしで働きながら、必要に迫られた英語の勉強や一人で生きて行くために、通信制の大学や専門学校等で学んだりと、苦しい人生が延々と続きました。
そんな時に、留学生として日本に来た夫に出会いました。年齢の差と文化の違い以外は、何も問題はありませんでしたが、一方で東日本大震災の時は、もう関係がダメになるかと思ったことも。しかし縁があれば乗り越えられるものです。
筆者自身は、一人の苦しい時期に努力したことがあらゆる形で、今は「生きる力」になっています。恋愛でも何でも、傷つくことが嫌で人生を「タラレバ」と逃げずに、人生の壁にぶつかった過去の心の傷や苦しみは、未来、精神の強さになったり、人生勉強だったと分かるものです。
特にフランス人は、はっきり物事を言う人が多いので、グズグズしていると縁はつながりません。恋愛は釣竿と同じだという人もいますが、タイミングを見て釣竿を引くのも自分しかありません。
また、素敵な人に出会いたければ、自分の引き出しを増やす努力や見た目に気を使うことも本当に大事です。「類は友を呼ぶ」ので、真面目な生活態度も良い縁をもたらすと考えます。フランスでは、年齢の問題も「若ければ価値がある」ではないので、中身が一番大事です。
フランス国内では、様々な国籍の人たちとの出会いがあると思いますが、国際恋愛は、法律や宗教の問題等もある国の相手もいるので、浮かれず、現実的なクールマインドで、慎重に恋愛をして下さいね。
ライター:Miyabi@フランス