フランスの男性はジェントルマンが多いのに驚きます。女性に対して、優しく親切だったり、レディファーストをさりげなく出来る習慣が身についている人が多いのに感動します。
先日も、郵便局に行ってポストを探していると(通常ポストは局の外に設置してある)、「マダム」と見知らぬ若い青年に突然呼び止められました。青年は自分の用事があるのに並んでる列から離れて、私を局内のポストにわざわざ案内してくれ、その青年のおかげで郵便局内にあるポストを見つけることができました。フランスでは、このような男性の親切をたくさん受けるのです。
道を譲ってくれる時にお先にどうぞと手でジャスチャーしてくれたり、重い物があるとドアを開けてくれたり、サッと手を貸してくれたりします。車に乗ればサッと運転席から降りて、車のドアを開けてくれる人もいて、フランスの男性は、ほんとに女性に対して、素敵な行動が出来る人が多いなぁと感動します。
フランスの道端で困っていたりすると、自分から積極的に見知らぬ人に「だいじょうぶですか?」とフランス語で声をかけてくるのも、男性が圧倒的に多いです。
以前、浮浪者が電車に乗って来た時に、日本人ならトラブルに巻き込まれたくないと見て見ぬふりをする男性も多いのですが、フランスの男性は浮浪者をサッと追い返したり、変な人がいると女性を守るような位置に場所を変えて立つ男性もいます。
テーブルのサービスの時には、日本では女性がサッとサービスをしないと、気が効かない等と思われてしまいますが、フランスの男性は女性にサッとサービスしてくれることが普通です。テーブルのサービスだけではありません、日本人の男性は女性まかせで家事をしてくれない人も多いですが、フランスの男性の多くは、家事は女性だけの物とは考えず手伝ってくれます。家事のために女性がいるのではないという考えが徹底しているので、女性を家庭に縛り付けるという人を見たことがありません。むしろ、仕事や趣味に輝いている女性が美しいと言います。
フランスの男性は年齢に関係なく、女性をとても大切にする人が多く、女性の手を自分から繋いで女性をリードしたり、お花を送ったり、女性を喜ばせることがとにかく大好きです。
日本の平塚らいてうの言葉「元始、女性は太陽だった」というのは、フランスでは過去形ではなく、一般的なフランスの男性は、女性を常にリスペクトしなければならない存在なのだと思っていると言っても過言ではないでしょう。多くの演説の冒頭が「マダム、ムッシュ」の順番で始まるのもそのあらわれなのかもしれません。
フランス人は、小さい時から「女性や困っている人を大切にする」と言うことを父親や身近な男性から自然に学んでいる人が多く、さりげなく女性に親切にするという行動そのものが「カッコイイ男性像」なのだと自覚していて、それが出来る自分が誇らしいのです。
日本は、お茶くみ等の雑用一つでも女性の仕事ですが、女性を軽視した時代遅れな男性中心の殿様社会は、グローバルでは「素敵ではない」ことに早く気がついてほしいとフランスの生活で考えてしまうのです。
ライター:Miyabi@フランス