フランスのイースター(復活祭は、フランス語で、Pâques:パック)は、毎年、日程が違います。2016年は、3月25日金曜日から、パックの行事が始まり、パックは、3月27日です。パックの39日後にキリストが、復活した後に天に昇った日を祝う休みが、5月5日になります。パック前後は、2週間ほど、学校は春休みになります。3月28日の月曜日は、国の休日です。
「パック」が近くになってくると、私の自宅の玄関のドアに、近所の人が教会からもらってきた葉っぱを置いていきます。私は宗教に無頓着なので、最初にドアのノブに葉っぱが挟んであったのを見て気味が悪く、変な人が来たかもしれない??と心配になりました。
本当は近所の人が、教会にみんなが行かなくても葉っぱを自分が持ってきてあげることでその家に幸せが来るように、という意味で置いていくようなのですが、無宗教の私にはあまり理解出来ないところです。一方で最近のフランス人も宗教に無頓着な人が多くなって来ているようです。
フランスのイースターの時期には、チョコレートや甘いお菓子がお店に大量に並びます。卵の形や鶏、ウサギの形のチョコレートもあるのですが、様々な形のおしゃれなチョコレートが並ぶので、みんな様々なチョコレートを形にこだわりなく購入しています。卵、鷄、うさぎの形は、生命のエナジーの象徴の意味があります。子供にプレゼントするのが伝統ですが、家族で食べるための目的で購入してる人も多いですね。
子供のいる家庭では庭にチョコレートの卵を隠す風習を行っている人もいます。隠したチョコレートがどこに行ったか分からなくなることもあって、そのまま子供にあげている家庭もあります。
金曜日から日曜日までは、キリストが復活するまでの3日間として、教会では哀悼の念を込めて鐘を鳴らしません。
フランスの昔話ではこの3日間、鐘はローマに旅行して、空を飛んで戻りながら、幸福の卵のお土産をばら撒くという逸話があります。クリスマスのサンタと同じで親はこの話を信じてほしいがために庭にチョコレートの卵を置いて子供に卵探しゲームをさせているようですが、子供は単にチョコレートの日だとワクワクしているだけのようです。
フランスでは、この時期に子羊の肉を食べる伝統もあります。キリスト復活祭の前は、お肉を食べることは禁止なので、復活祭後の羊のお肉パーティは、昔は、かなりのごちそうだったそうです。今でも、敬虔な信者は羊肉を食べているようです。
アルザス圏には、珍しい「アニョパスカル」という羊の焼き菓子があります。フランス語のアニョは羊の意味、パスカルは復活祭の意味です。羊は、犠牲の象徴=キリストなのだそうです。パンのようなクッキーのような伝統的なお菓子です。
犠牲の象徴の意味のお菓子というと気味が悪いのですが、羊の形をした焼き菓子に砂糖がまぶしてあり、リボンがついている物もあり、かわいらしいお菓子です。
今年も、パスク=春の訪れとして、フランスも春が感じられる暖かい季節になりました。
Miyabi@フランス