今年も残すところあとわずか。毎年気がつけば年末!というパターンが、短いサイクルでやってきているように思えてなりません。
デンマークでもクリスマスは年間を通して一番大きなイベントです。普段はあまり宗教色の強くないデンマーク人が唯一教会に行く日、と揶揄されたりもします。
デコレーションこそ本格的で、『まさにこれが北欧のクリスマス!』という感じですが、その過ごし方は日本でいうところのお正月に近く、家族団らんを楽しむ時期です。恋人同士でもクリスマスは各自の実家で過ごすのも珍しくありません。
そんなデンマークのクリスマスですが、もともとはキリスト教には何の関係もなかったイベントだったという話をご存知でしょうか。
デンマークはじめ北欧諸国でのクリスマスを意味する言葉(デンマーク語ではjul・ユール)は、ドイツ語や英語のクリスマスという、キリスト教ルーツの単語ではなく、もともとの意味は『お祭り』を意味するものだったらしいです。
冬が長くて暗い北欧では、太陽の意味はとても大きなものです。冬が深まるにつれて毎日だんだんと暗くなる時間が長くなっていくのを見るのは、正直気分も落ち込みがち。これは何年経ってもなかなか慣れるものではないんですよね…。春が待ち遠しくなる気持ちは日本にいた時とは比べようもありません。
そんな太陽が昇る時間を大切にしてきた北欧では、一年で一番昼間の時間が短くなる日(=冬至)を祝い始めたのがクリスマスの原点だと言われています。クリスマスの時期で一日で一番短い昼間が、だんだん長くなっていくのを祝う。その気持ち、今ではよ〜くわかりますが(苦笑)、それにいつしかキリストの誕生日が融合して今のクリスマスの形となりました。
なのでデンマークでは、クリスマスツリーを飾ってプレゼントを交換することはしても、サンタクロースの存在はあまり大きくありません。子供もプレゼントは『親や家族から貰うもの』という認識のようです。
みんなにっこり笑顔が増えるこの時期。みなさんも素敵なクリスマスを過ごして下さい!
ruru@デンマーク