ドイツの物価は日本と似ていますが、生活必需品が手頃なため給与に対し出費の割合が小さく、結果的にドイツはより貯金しやすい環境にあると思います。(近年円安が加速していると言われる日本ですが、ドイツにいる私からすると、それでも他国に比べると物価が高い印象です。)
先の通り、ドイツの家賃や交通費、レストランでの食事代や洋服等の値段は日本と似ていますが、何より食費がかかりません! 野菜や果物など生活必需品は消費税率7%で、元々の値段も安い! ちなみにビールは贅沢品・嗜好品に分類され消費税率19%ですが、それでも日本よりかなり安いです(笑)。
さて、こんなにお得感のあるドイツですが、ロシアのウクライナ侵攻により、一番手頃とも言える食料品の値段が、今大きく変化しています。ウクライナとロシアは、世界に知られる『小麦・飼料用穀物・食品油』の主要輸出国であり、ウクライナは肥沃な黒土地帯に恵まれる農業大国で、ドイツにも多くの食品やその原料を輸出していました。そのため、生活必需品はもちろん、全体的に食品が値上がりし、人気のコーンフレークは値段をそのままに、中身を大幅に減らしています。また、菜種油やひまわり油が2倍の値段になるという情報から、爆買いする人が続出し、手頃な油は完売状態が続いています。スーパーには、割高な有機油か、オリーブオイル等他の種類の油しかありません。
コロナ危機にトイレットペーパーが爆買いされに深刻な品不足となったドイツ(笑)、今回もトイレットペーパーの品切れをちらっと見かけました。なんだか『危機→爆買い→品不足の深刻化』というイメージが定着しつつあります。
そして、エネルギー供給をロシアに依存していたためエネルギー価格も上がっています。もともとじわじわと上昇していたとはいえ、その急上昇ぶりに皆、困惑を隠せません。ガソリンは一時2,40€(約315円)/1Lとなり、急激に上がり続ける値段に、車の運転が大好きなドイツ人はパニック状態。ガソリンの代わりに油を注ぐなんていう珍ニュースも飛び出しました。現在は値段がほんの少し落ち着いていますが、政府がその対策案を講じているところです。
勿論、これだけではなく、とある車会社は一部品をウクライナから輸入していたため、現在生産がストップ。多くのその下請け会社にも影響があり、最後には車の値段の上昇に繋がります。全てにおいて値上がりが加速しかねないこの状況に、ドイツでは毎日その話題が尽きません。この情勢が少しでも早く良くなることを皆祈っています。
ライター:yodan@ドイツ