今回は、あまり日本で報道されないリトアニアのコロナ状況についてご紹介します。
まず、全体的にリトアニアのコロナ対策は、慎重かつ着実だと思います。第1波では感染者がわずか数十人の段階でロックダウンを実施し、積極的に検査を行なったため、それほど大きな感染の拡大はありませんでした。
しかし昨年の冬には感染者が急増し、およそ半年もロックダウンが続く事態に。真冬はスーパーと薬局くらいしか開いておらず、お店やバスの中はもちろん、外出時にもマスクの着用義務が課されていました。
とはいえ、ワクチン接種が広まった春ごろからは少しずつお店が再開。現在は屋内・公共機関でのマスク着用とソーシャルディスタンス以外、ほとんど普通の暮らしに戻っています。
すこし規制がゆるくなった春先は、外食もテラス席でしかできませんでしたが、現在ではお店の中でも席に座れ、のんびりとした時間を過ごせるようになりました。
リトアニアでは、これまでマスクの習慣がまったくありませんでした。一時期は「鼻マスクは身体の恥部を丸出しにしているのと同じ」という、市のイラスト付き広告が町じゅうに張り巡らされるほど(笑)。が、今では高齢者を中心に、外でもマスクしている人が増えたところをみると、ようやく慣れてきたようす。それでも多くの人は、お店を出るとき、バスを降りるときに速攻で外しますが。
ちなみに、リトアニアのワクチン接種状況ですが、8月中旬時点では、人口のおよそ半数が2回接種済みだそうです。個人ID・電子サービスと結びついたワクチンパスポートをいち早く国内で取り入れ、6月のロックダウン解除まではイベントや店内席の制限をしていました。
医療従事者・エッセンシャルワーカーを最優先し、その後は年代別に高齢者から18歳以上の若者へ、スケジュールを国民に分かりやすく明示していました。今では12歳以上の接種もできるようになり、政府も学校でのクラスターを避けるため「秋学期がはじまるまでに接種するように」と呼び掛けています。
そして、ずいぶん涼しくなってきた今、感染者数がまたもや急増中。重症者数はまだ少ないものの、政府は慎重な姿勢を示し、9月中旬からはまた国内ワクチンパスポートが復活するようです。国内はもちろん、ヨーロッパ圏内であれば自由に旅行ができるリトアニアですが、これからどうなることやら。
みなさんも、十分な対策をして、健康にお気を付けくださいね。
ライター:のり@リトアニア
自然と手仕事を愛する人。”sumiyas”という屋号でライター、草木染、編み物などをやっています。
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