「いくらだった?」「1人100kr!」「ok。じゃあ、モバイルペイするね」という会話が普通のデンマーク。これは何かというと、友達とカフェやレストランなどに行って、まとめて1人が支払いを済ませた時、割り勘にするときがありますよね。その際にそれぞれの携帯電話から金額と支払う相手の番号を入力すると、手数料なしで振り込みが完了できるというシステム。携帯電話同士のやり取りだけでなく、お店の支払いなどもこれでできるのです。
デジタル先進国と言われるだけあり、デビットカードはすでに80年代には導入されていました。そしてそのデビッドカードがアプリとして携帯電話で使用できることで、現金はもちろん、カードさえも持たない生活になっています。
便利な生活はこれだけではありません。日本のマイナンバーに相当するCPRとNemKontoと呼ばれる電子IDを国民全員が持つことで、様々なサービスが効率よく受けられるます。
個人宛の情報は、e-boksという電子私書箱で受け取ります。例えば、年金や給与明細、医療機関からの検診についてや結果、学校などに関する地方自治体からの連絡、警察からの連絡などをメール形式で受け取れるのです。しかし、通常のeメールとは異なり個人情報を厳重に守る仕組みになっていて、公金の支払いや給付、さまざまな決済もオンラインで行うことができるのです。そして、医療の個人記録もweb上で見ることができます。
ここで気になるのが犯罪です。例えば、家にPCがない場合、図書館で借りることができます。そこで以前に借りた人のデーターを見つけた人が、そのデーターを使ってお金を引き出してしまったりという例がありますが、私が感じるところ、日本のように頻繁に起きてはいないと思います。国民全員が、システムを信用しする事で、便利で快適なオンライン生活が送れることを望み、それが実現できているからこそデジタル先進国となったのでしょう。
教育現場でもデジタル先進国の一面を垣間見ることができます。学校からは1人一台PC、又はタブレットが貸与されています。課題の提出物はほぼオンラインでの提出であったり、そもそも教室の中はスマートボードでの授業です。ですから、コロナ禍でオンライン授業になっても、スムーズに移行できる環境にあったのです。もちろん学校の中はフリーwifiです。
小さな国だからできることかもしれませんが、小さな国だからこそ大国に遅れをとらないよう、国民のための政策が行われているデンマークは、やはり、幸せな国なのでしょう。
ライター:nao@でんまーく