リトアニアで有名な日本人といえば、誰もが杉原千畝の名を思い浮かべるでしょう。第二次世界大戦中、ナチスの迫害を受けたユダヤ人に向けて多くの日本の通過ビザを発行した人物です。
彼の勇気ある行動はリトアニアの歴史に大きく刻まれている様子。かつて領事館が置かれたカウナスに行けば杉原千畝の記念館「Sugihara House」があり、首都ビリニュスにも桜の木が植わった公園「Čijunės Sugiharos sakurų parkas」があります。

歴史的に見れば、彼のおかげで「日本人=誠実」なイメージが多少あるかもしれません。
しかし筆者がこれまでリトアニア滞在を通して「日本人として期待されているな」と感じた瞬間は、正直ほとんどありません。
もちろん、リトアニアではまず日本人自体が珍しいので、道すがら知らない人に二度見されたり、あまり気持ちのよくない待遇を受けることもあります。しかし日本人かどうかに関係なく、こちらも堂々と対等な姿勢で接していれば、たとえ言葉がカタコトでも親身に対応してくれる人が多いですよ。

期待とは違うかもしれませんが、日本人だから起こった出来事もたくさんあります。
かつてリトアニアの田舎でファームステイをしていた頃、なぜかホストの自宅にあった昆布やわかめを「使い方が分からないからこれで料理して」とお願いされたり、彼の両親に「寿司って家庭でも作るもの?」と聞かれたり、ジブリアニメ好きな女の子がファームに来てくれたり・・・。思い返せば、これらはすべて「日本人だから」巡りあった会話や出会いでしょう。

現在の滞在では、日本の「文化」に対するイメージの良さを感じる場面もあります。たとえばヴィリニュスには、日本文房具を多数扱う、スタイリッシュでオシャレなカフェがあります。ここをはじめ、いくつかのショップやレストランでは、お線香がアロマグッズとして売られていて驚きました。
また最近、久しぶりに訪れた別のカフェで「どこからきたの?」と尋ねられることがありました。日本だと答えると、「今うちのカフェではKINTO(日本のメーカー)の器具やグッズを扱っているよ」とのこと。ちょっとニッチな視点かもしれませんが、近年の欧州コーヒー業界で日本メーカーの名をよく見かけるようになり、これがリトアニアにも来ているようです。
伝統的な和の文化や、アニメ・漫画からくるクールなイメージも良いですが、日本のアイテムをセンスよくピックアップしてもらえていることに、ちょっとうれしくなりました。

ライター:のり@リトアニア
自然と手仕事を愛する人。”sumiyas”という屋号でライター、草木染、編み物などをやっています。
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