日本では”花”業界で活躍していた野球少年Kenjiに今回は登場してもらいます。
バンクーバーに来たワーホリたちは、バンクーバーの魅力に引き込まれ、ワークビザや移民したいと考えることも少なくありません。ただ、真剣にその気持ちを具体化し、移民する人は一握り。そんな中で今回は、ワーホリ後にBC州工科大学(以下BCIT)で航空整備士コースを最優秀成績で卒業、移民に向かって走り始めたKenjiにインタビューです(以下 K:Kenji S:カナダワットShizuka)
S:まずはベタな質問から。当初のワーホリの目標・目的は?
K:よくあるワーホリって感じで「単純な海外への興味と語学」あとは「自分のキャリアのヒントになる経験」。おもしろくなくてすいません。年齢的にも「ワーホリを楽しむというよりも、何かを得なくては!」と必死な感じはありました。
S:そのくらいの必死さがないと今の状態(BCIT卒業)にはなってないでしょう。移民を考えたきっかけがあれば教えて。
K:ワーホリの期間中、いろんな人の価値観に触れることができ「ここにいる人たちの行き方が好きだな」と単純に思ったこと。それから「ここにいると日本にいた時の自分よりも自分らしく生きられると感じたから」です。
S:具体的には
K:「働き方」「仕事やお金の価値観」「友人や同僚の付き合い方」「余暇の使い方」特に「家族との時間に対する考え方」など。
S:それぞれエピソードも交えもっと詳しく聞いてみたいところね。ところで移民するにあたって、仕事や生活スタイルをどう考えていた?
K:僕が勝負できそうなスキルは”花”くらいだったので、当初は自分で花屋さんでもやろうかと思っていました(笑)。経験があったのもあり花屋での仕事は苦労なく見つかりました。が、人生そんなに甘くなく、ワーキングビザの話までこじつけることは難しかった。その頃は、移民できた後のプランなんてのんきなものでした。
S:花屋でワークビザを取っていたら今のKenjiはなかったし、航空整備士なんて頭の片隅にもなかったでしょう、結果的にはよかったかもしれないね。よい職を得るために、地元のカナダ人たちでさえ仕事を辞めてでも通学するBCIT卒ですから。それで、航空整備士を考えたのは?
K:「勢い」、悪い癖でもあるのですが(笑)。基本的に技術系のコースを基準に就職率やその職業の平均年収・業界の動向などを踏まえて、自動車整備と少し揺れましたが、やはり最後は単純な興味で決めました。Shizukaに航空整備士という選択肢があることを教えられ、本当によかったです。
S:「同じ整備士なら、航空整備士ってのもあるよ」と伝えたときの目の輝きは忘れないわ(笑)。とはいえ、多くの人はなかなか勢いだけでは決められないと思うのだけど・・・
K:やるからには半端な学校に行く気はなく、学校の雰囲気と大きさ、その学校に対する身近な人や地域の評価や就職率、もちろんネームバリューなどから、すんなりBCITに決められました。
S:卒業式で先生から「卒業した今、みんなはスタート地点に立った」という言葉があったけど、これからが勝負ね。ひとまずの短いスパンの計画を教えてください。
K:アルバイトをしながら、ひたすら就職活動。ネットの応募とランダムに航空会社を訪ねてレジュメとカバーレターを落とし電話を待つ。今は、とくかく航空機をもっている会社に”入る”ことだけ考えてます。もちろん航空整備士として働かせてもらえればありがたいですが、最初は荷物の積み下ろしや航空機誘導・掃除や客室管理など何でもオファーがあればやろうと思ってます。まずは入り込むことが先決。誰か業界に知り合いがいる方、よろしくお願いします(笑)。
S:そうそう、その行動力が大事。ポスグラ(大学卒業後にオープンのワークビザがでるポストグラジュエイションビザ)が出たら行動だね。今後の活躍を楽しみにしています!
Shizukaの所感:Kenjiがぶれずに頑張れるのは表面上ではなく心からコレ(航空整備士)!と思えたものに出会えたこと。そしてその前に言えることは、バンクーバーの人たちの生き方に共感し「自分もそういう生き方をしたい!」との想いが本気だったことだと思います。
今後もいろいろ大変なことにも遭遇するでしょうが、カレなら問題なく道を見つけてやっていけるでしょう。Kenjiの整備した飛行機にいつ乗れるのか、今から期待いっぱいです。
記事提供:カナダワット(バンクーバー)