20160721_195628近年世界各地で起こっているテロ事件の数々・・・パリで昨年11月13日に起きた同時多発テロ事件は世界中の人々に大きな衝撃を与え、オランド大統領がこの事件を受けて非常事態宣言を出したのは皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。

オランド大統領が非常事態宣言を延長しない方針を明らかにしたのは先月14日、フランスでは革命記念日でした。この日は各地で軍事パレードや花火等様々なイベントが催され、どこもお祭りムード、フランス人にとっては本格的な夏のバカンスを告げる重要な祝日です。ところが、皮肉なことに非常事態宣言の延長をしないことが明らかにされたほんの1時間後に今度はニースでトラックテロ事件が発生、最終的には非常事態宣言の3ヶ月延長が承認されました。
これらの相次ぐテロ事件はフランスを訪れる日本人の数にも大きな影響を与えています。最近のパリの日本人観光客数は56%減と著しい減少傾向にあるのです。危険はフランスに限らずどこにでも潜んでいますが、これから渡仏を検討している方が不安に思うのも無理はありません。
ここでフランスが国として定めている警戒レベルを伴う安全対策システムについて触れておきたいと思います。これは“Le plan vigipirate”と呼ばれ、テロ攻撃などの際の人々の安全確保と国家の迅速な対応を目的に施行されたものです。現在テロの脅威は依然として極めて高いレベルにあるとされています。また現在のフランスは先述の通り非常事態宣言下にあり、人々の安全確保のために治安部隊の配備や監視システムの強化も引き続き行われています。

現地で暮らす私もこういった安全対策が施されていることを実感する場面が日常生活において多々あります。最近のフランスではショッピングセンターに入る際の荷物チェックは慣習となりつつありますし、検問をする警官数の増加、武装した兵士や警察官も街には大勢配置されています。また人々がテロに対して敏感になっている感も否めません。テロ事件の数日後、私が電車に乗っていた際には爆発物騒ぎが起こり安全確認のために1時間半近く電車が停車したということもありました。
フランスでは国として上記のような安全対策を行っていますが日頃からテロ対策として基本的に
・大勢の人が集まる場所(イベント会場、ショッピングセンター、観光施設、公共交通機関等)をできるだけ避ける→行く場合にはできるだけ人が少ない時間帯を選ぶ
・万が一不審な状況を察知した場合には速やかにその場を離れる
といったことを心がけるようにすることも重要です。実際に海外渡航の際には外務省の海外安全ホームページ等を参考にして安全対策に努めるのも良いと思います。

また、フランスに3か月以上の長期滞在をする場合には在留届を出すようにしましょう。緊急事態時に随時有用な情報を提供してもらえます。
ちなみに今回のニースのテロ事件の際には私も在マルセイユ日本領事館から事件についての注意喚起、実際に現場にいる人達に対して避難場所(被害者のために解放されている現場近くの施設)の情報や安否確認等、複数のメールを受け取りました。
今年の南仏の夏は残念ながらジャズフェスティバルやコンサート、花火大会といった数々の催しが中止となり少し寂しい夏のスタートとなってしまいました。しかし、その裏側では現地の多くのフランス人がテロに屈しない姿勢を示し、懸命にささやかな日常を取り戻そうとしています。平和な日常が一日も早く世界に戻ってきてくれることを願ってやみません。

ライター:たぬき@フランス


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