私がフランス生活をスタートさせたのは南仏プロヴァンス地方の小さな街でした。フランス語に関してはまだまだ初心者だった私が南仏でフランス語の勉強を始め、しばしば話題となったことがあります。それはフランス語の“訛り”です。
たとえば、プロヴァンス地方で特に訛りが強いのは地中海沿いの港町、マルセイユ。フランス人の食生活に欠かせないパン(pain)はフランス語でも“パン”と発音しますが、マルセイユの人達が発音すると まるで“ペン”と言っているように聞こえます。またフランス語で「明日」を意味するdemain(ドゥマン)という単語がありますが、こちらもマルセイユ訛りだと“ドゥメン”と聞こえます。
これからフランスに来て語学の勉強をしたい方! 南仏(あるいはフランスの地方都市)に滞在してフランス語を勉強したいけれど訛りのあるフランス語が身についてしまわないか心配だという声を聞くこともありますが、フランス語上達に欠かせないのはとにかく学んだことを実践することです!
語学学校の先生達はたいていきちんとクリアな発音で話してくれるので語学学校に通うのであれば訛りの心配はしなくても良いと思います。
もうひとつ、フランス生活をするなかで知っておきたいのが「書き言葉」と「話し言葉」の違いです。この違いのせいで語学学校に通ってフランス語を頑張って勉強しても実際にフランス人と話してみると分からない単語が沢山出てくるのです。
たとえば洋服はフランス語で“vêtement”(ヴェトゥモン)ですが、会話のなかでは“fringues”(フラング)という言い方をされることが多いです。上品な言い方とはいえないのでこういった表現は目上の方とお話をする際には使わない方が無難ですが、フランス人の友人達と話しているとこのような書き言葉と話し言葉の差を実感する場面に遭遇することがしょっちゅうあります。
ともあれ、訛りのあるフランス語を頻繁に聞いたり、書き言葉だけでなく話し言葉を習得することができるのは実際に現地にいるからこそ。そう考えるとフランス語を常に使える環境にいることがどれだけラッキーなことなのかが自然と分かってきますよね!
フランスに滞在するのであれば机上の勉強にとどまらず現地の人と積極的に会話をしたりフランス人の使う表現を聞いて表現の幅を広げ語学力の向上を図ってください。貴重なフランス滞在がきっとより充実したものになるはずです!
ライター:たぬき@フランス