20160305-fr海外での医療医は高額になりがちだとよく言いますがフランスの医療事情は一体どのようなものなのか、今日はフランスの医療システムの基本についてのレポートです。

まず、フランスでは一般的に医療分業制となっており、医師の診察を受けて検査が必要と判断された場合には面倒ですが別の検査機関に行くことになります。薬についても同様で、医師の処方箋を持って薬局に行くことになります。
そして覚えておきたいのがフランスでは緊急の場合を除いて基本的には医師の診察を受けるためには予約をとらなくていけないということ。一般医の場合は電話を入れてから翌日、数日後といった具合に割と早いうちに予約がとれる事も少なくありませんが、眼科や婦人科といった専門医の場合には数か月待ちとなることも珍しくありません。

医師にかかる際の診察料金については、医師が社会保障機構の協定医と非協定医の場合では料金設定が異なります。
協定医でもセクター1とセクター2と分かれており、セクター1の医師はフランスの健康保険(セキュリテソシアル)で定められた医療報酬(一般医の場合23ユーロ)を患者から徴収します。セクター2の医師は先述の23ユーロに各自が自由に設定した報酬をプラスして患者から徴収します。ちなみに私のかかりつけの医師はこのセクター2に該当し、診察料は37ユーロです。協定医にかかる場合には23ユーロの7割に該当する金額から1ユーロ引かれた金額、つまり15.10ユーロが公的保障からの還付金額になり、非協定医の場合には公的保障からの還付がほとんどない(診察料金によりますがたったの1ユーロ程度!)のが特徴です。ただしフランスにワーホリで来る人についてはフランスの公的保障からではなく、自身が加入している海外旅行保険(ワーキングホリデー保険)で医療費をカバーすることになります 。

友人がフランスで初めてお医者さんにかかった際には(一体いくらかかるんだろう?)と心配していたのに結果的にはたったの23ユーロで済んで拍子抜けした!と話していました。ちなみに保険機構のサイト(http://annuairesante.ameli.fr/)で自宅近くの医師の検索(どのセクターに該当するか、診察料金等)が可能です。
このようにセクター1の医師にかかるとなると日本と比べて医療費はさほど高額にならないことになります。しかし、日本とは異なる医療システムに困惑したりフランス生活中に余計な悩みを増やさないためにも渡仏前にしっかりと体調を万全に整えておくことが大切です。特に歯科治療については高額になるケースが多かったり、たとえ海外旅行保険に加入していると言っても補償の対象外だったり免責事由に該当してしまうケースもあるので注意が必要です。

最後に、フランス滞在中にお医者さんのお世話にならないで過ごすためには体調管理はもちろんのこと、近年テロ事件が多発しているので事件や事故に巻き込まれたりしないよう身の回りの危機管理にも注意することが重要です。

たぬき@フランス


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