今月、フランスではスーパーで売れ残った食品を捨てることを禁止する法案が可決されました。売れ残った食品の中で、まだ食べられる食品は食べ物に困っている人の支援団体に寄付が義務付になりました。
今後、食べ物を扱う敷地面積の大きいスーパーはこの法律を守らない場合、罰金や刑罰になります。寄付が嫌だからと言って食べ物を食べられないように壊したり捨てたり、隠したりすることも罪になります。
フランスではここ数年、スーパーの捨てた物を拾ってきて食べるデモストレーションをして食べ物の大切さを訴えているアメリカの団体のテレビ番組が放映されていました。こういう団体がフランスにもあればみんなの意識も変ると思っていました。
このような食べ物の大切さを訴える番組をメディアで流したり、まだ食べられる食品を慈善団体に寄付するお店も増えて来ていたので、今回の国の義務化は急に決まったことですが法案可決が遅いぐらいでした。経済状況が悪く、フランスでは仕事がないホームレスの人達や食べ物に困っている人達もたくさんいるので、そのような人たちにとっても朗報です。
フランスのスーパーでは、賞味期限前後やクリスマス等のイベントが終わった後の割引食品もあるのですが、日本より割引食品が少いように思います。スーパーは出来るだけ商品をお金にしたいので、今後は賞味期限前後の食品の割引が増えるかもしれません。そうなれば、スーパーで買う一般市民にとってもお財布に優しくなります。また、フランスでは、お店にあるような巨大な冷凍庫を保持している家庭も多いので、割引の食品を冷凍庫に保管して、消費期限までゆっくり食べることも可能な家庭が多いと思います。
フランスにも消費期限と賞味期限が食品にはあります。フランスでは賞味期限切れの商品のみを扱う専門のお店もあります。以前、いくつかの食品リサイクルのお店に行ってみたことがあるのですが、充分食べられる食品が山盛り陳列されていました。お店によっては商品が製造されてからかなりの年月が過ぎている食品もあり、本当に食べられるのか? もっと国がお店をチェックした方が良いのでは? と思う物もありました。これは、最近の日本でも大問題になっていることですが、食べられる限度はあるので割引食品は選別して購入した方が良いと思います。それでも、賞味期限1年前から数カ月前までの売れ残った商品が割引で売られていたりするので充分食べられる食品がたくさんありました。賞味期限1年以内の食品は、なぜ割引なのか不思議に思うことさえあります。
私は、仕事帰りのスーパーの割引シールの食品が日本で身近だったので、フランスでも割引でまだ食べられる食品を買うこともあります。そういう食品でも健康上の問題は一切なく、おいしくいただいています。注意点は充分加熱したり早めに食べたりすること。
フランスでも割引のある賞味期限前後や消費期限前までの食品を買うことは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、普通の値段では高すぎて買うのに躊躇する食品が賞味期限前後のために割引となっていることもあって、食べてみたらおいしかったということもあります。
フランスでいろいろな期限の食品を食べ比べてみると良いかもしれません。賞味期限前後や消費期限前なら、まだ充分おいしく食べられるじゃない!!と感じると思います。
Miyabi@フランス