前回、クリスマスの準備についてお話しさせていただきましたが、今回はデンマーク人の過ごすクリスマスをご紹介します。
デンマーク人にとってのクリスマスは家族と過ごす大事な時間です。日本とは大きく違いますね。独立した子供達も、みんながクリスマスイブには帰ってきます。日本で言ったら盆や正月といったところでしょうか。
でもちょっとイメージが違いますよね。去年は、母親方の祖父母達の家族と一緒だったから、今年は父親方の祖父母やその親戚と一緒などというように、順番で集まる場合もありますし、独立した子供達の家を年毎にまわったりと、さまざまではありますが、両親、兄妹、子供、孫。。。と、とにかく賑やかなクリスマスイブになります。
まず、家には大きなツリーが飾ってあるので(このツリーもどこの家も準備します)その木の下に用意したプレゼントを置いておきます。
クリスマスディナーですが、どこの家庭もほとんど同じ。まずは、普通に茹でたじゃがいもと、甘く煮詰めたソースに絡めたじゃがいも。そして、赤キャベツの酢漬け。お肉料理は鴨のローストと皮付き豚の塊をオーブン又はバーベキューグリルなどで焼いたもの。それにブラウンソースとポテトチップス(これも料理に添えられます)。大人達は赤ワインやビールを飲みながら、この重たく、毎年変わらない料理を今年も食べるのです。
そしてデザート。ミルク粥を大量に作っておき、そこにホイップクリームを混ぜます。そしてさくらんぼソースをかけて食べます。ですが、このデザートの中に一つアーモンドが隠されています。順番にデザートの入った器が回ってきて、自分の食べれる量だけ自分の皿に盛り、隣の席の人に回します。アーモンドが入っているかどうかは最後の最後まで内緒にしておきます。そして食べ終わると誰の口の中に隠れているか、あてます。アーモンドが入っている人が、プレゼントをもらえます。
その後、pakkelege というゲームをします。小さなプレゼントをあらかじめ用意しておいて、机の上に出し合います。そしてサイコロを順番に振り、6が出たら、好きなプレゼントがもらえます。机上のプレゼントがなくなったら、今度は制限時間を決め、又サイコロを順番に振ります。今度は6が出たら、人のプレゼントを指定してもらうことができます。
家庭によっては、1を出してしまったら、自分のプレゼントを戻す場合もあります。プレゼントの中身は、黒パンだったり、トイレットペーパーだったり、包装紙を剥がしたときに笑えるものもいっぱい。このゲームもデンマーク中のどこの家庭でもやるとっても嘘ではありません。とにかく、毎年盛り上がります。
お腹も少し落ち着いたところです。全員で手を繋いでクリスマスツリーを囲み、クリスマスソングを歌いながらツリーの周りを歩きます。小さな蝋燭の火が揺れるのをみながらの聖歌やクリスマスソングは、日本人には馴染みのないイベントで、これもデンマークならではのクリスマスイブでしょう。
そして、いよいよクリスマスプレゼントが配られます。子供達がプレゼントについている名札(誰から誰宛)を読みながら、プレゼントを一つずつ配っていきます。大家族のところでは、全員のプレゼントが行き渡るまで、かなり時間がかかるのは、想像できますよね。
それでも、みんなこの楽しいひとときを毎年楽しみにしています。
ライター:nao@でんまーく